こんばんは。春日部棋道舘常連の田村です。
いつも、春日部道場の営業日記を、パソコン・ネットに詳しくない席主に代わって、執筆しております。
今日は、皆さんに、春日部棋道舘から皆様に、お伝えしたいことがあるので、筆をとらせていただきます。
本日は、漫画家の安藤さんが、久々に棋道舘に来店し、
「席主との対局で、居玉の急戦をしたら、席主に「こんなのは将棋道場で指す将棋ではない」と言われ、道場を出禁になった」という発言をX上でして、その発言が現在拡散しているようですが、
その安藤さんの発言は誤りです。
ことの経緯を席主の箕輪さんにききましたが(私は別用で、この時間帯は道場にいませんでした)、箕輪さんによると以下のことだそうです。
安藤さんが、わざと自殺手(あきらかに故意の、ただの悪手)を連発し、それを指摘すると
安藤さんは「それが自分の将棋のスタイルだ」というようなことを言うので、
箕輪さんが「将棋はふたりでするもの。そんなのでは時間を割いてくれた相手の方に失礼。そんなのだったら、将棋道場にきて指す意味がない」と言ったそうです。
そのようなやりとりがいくつかあったあと、箕輪さんは安藤さんに「だったら道場に来なくていい」と言ったそうです。
正確には、箕輪さんが安藤さんに「出入り禁止だ」とは言ってはいない、とのことでした。
つまり要は、安藤さんの不誠実な態度と姿勢に箕輪さんが怒って、のことで、
「指す戦法が居玉急戦だから」、というのは、まったく関係のないことです。
もう少し詳細に内容を話しますと、
今日安藤さんが来店し、箕輪さんと世間話をしたそうです。
箕輪さんが安藤さんに「9月末の、焼肉将棋大会は出ないかい?」と言ったところ、
安藤さんは「懐具合がさみしいから、出られない」と答えたので、
「だったら、俺が焼肉代(将棋大会参加費のこと)出すから、ぜひ来なよ」と誘ったそうです。
安藤さんには、安藤さんの懐具合が厳しいのと、漫画で春日部棋道舘の宣伝をしていたいただいたというお礼から、箕輪さんは好意で、席料の永久無料のサービスをしていました。
今回も、大会参加費を出すというサービスをするつもりだったそうです。
そしてそのあと、安藤さんとは、2枚落ちのハンデの将棋を指したそうです。
1戦目は安藤さんがすぐに負けて、また同じく2枚落ちで2戦目をしたところ、事態があったそうです。
安藤さんが、居玉で仕掛けてきたのですが、相手の歩の上に銀がただで出る手(つまり、銀をなんの見返りもなくただ捨てた手。当たり前だが、ただの損なので、将棋を少しでも知ってる人はやらない。)を指してきて、そこからさらに角を切り飛ばしてきて、数手で安藤さんの角損になったそうです。
そこで箕輪さんが不信に思い、「こんな手はない」と指摘し、
「将棋はどこでもできるのだし、いいかげんに指すのなら、わざわざ将棋道場に来て指している意味がない」というようなことを言ったところ、
安藤さんとは先ほどのようなやりとりになった、ということです。
これは、将棋に対する姿勢、あるいは意見のすれ違いで起きたことだと思います。
ですがもし、安藤さんが「いいかげんに将棋を指してやろう」と思って、実際に指したのなら、
やはりそれは、相手方に失礼な、礼を欠いた態度なのではないかと、私は思います。
将棋は二人でやるのものなので、一方的にいいかげんな態度でやられたらたまったものではありません。
「時間を割いてくれた相手の方に失礼」という箕輪さんの言葉はその通りだと思います。
特に箕輪さんは、将棋道場を運営しているだけあって、「将棋における礼儀」には、厳しい方だと思います。
ただもしかしたら、ここまでのやりとりでは、どちらかの言い方にかちんときたり、売り言葉に買い言葉的なこともあったのかもわかりません。
しかし、「将棋に対しての真摯な姿勢」を今日の安藤さんからは、箕輪さんが感じなかったのも事実であり、それがこのような事態に至ったのだと思います。
当然ですが、箕輪さんは、
「へんな戦法を使うから」とか、ましてや「将棋が弱いから」という理由で、道場の出入り禁止を言い渡すような方ではありません。
将棋は対面コミュニケーションゲームであり、将棋道場は「皆で」「楽しく」将棋を指す場です。
そこには最低限の「マナー」や「相手への敬意」が必要です。
今日の安藤さんからは、それが欠いているように見えたのだと思います。
最後になりますが、
春日部棋道舘は、道場のみんながアットホームで、とても楽しい将棋道場です。
私ふくめ道場常連の皆、箕輪さんにとてもお世話になっています。
なので、今回の事態につきましては、とても残念に思います。
また、誤った情報が拡散しひとり歩きし、春日部棋道舘の、ひいては将棋道場全体のマイナスイメージにつながりかねないことに、懸念を抱いております。
将棋道場は、将棋指しにとって、リアルで将棋を指す場であると同時に、ほかのお客さんと交流をはかる、社交場でもあります。
ただし社交場ですので、最低限の礼儀や相手への敬意、マナーは必要になります。
将棋道場に通ったことがない方に、将棋道場の変なイメージをもたれても困るので、
私からのおねがいです。
将棋道場に行ったことのない方は、(お近くの場でいいので)ぜひ将棋道場に通ってみてください。
きっとそこでは、ほかでは得難い人間関係・友人関係を得ることができると思います。
実は私が棋道舘に通う理由は、対面でのリアル将棋を指すのが楽しいから、という理由もありますが、それ以上に、
将棋仲間たちと出会えて、皆と会うのが楽しいから、という理由からです。
その意味で、将棋と、将棋道場に通うことは、とてもよい趣味だと思います。
以上を持ちまして、春日部棋道舘から、安藤さんのXでの発言の誤りを指摘させていただきました。
この文章は、道場常連の田村が書きましたが、
席主の箕輪さんが一読し、事実の間違えなどがないかを確認したうえで、公開させていただきます。
皆様方、今後とも私たち春日部棋道舘をよろしくおねがいいたします。
追記)9/1、安藤さんはXの当該ポストを削除と、当道場・席主への謝罪をされました。