こんばんは。
『藤井聡太の振り飛車破り』という、新刊の棋書を読んでるのですが、この本はいいですね。

藤井名人の実戦譜から、対振りの「王道」の考え方を学ぶ本です。
内容は高度ながら、解説が平易でわかりやすいのが特徴で、
私レベルでも無理なく読める、よい棋書だと思います。

さて、今回は、この本から「居飛車穴熊 対 コーヤン流(別名:中田功XP)」の
解説があったので、それをみていきたいと思います。

取り上げられている対局は
中田 功 七段 vs. 藤井聡太 四段 第31期竜王戦5組ランキング戦(2018-01-11)
藤井四段(当時)の「新手」が出て、居飛穴が快勝し、
それによって現在に至るまで、もうコーヤン流は指されなくなった、
絶滅してしまった、という対局です。
藤井四段の新手、という注目度から、知っている方も多いかもしれません。

まずは動く棋譜から

 

そもそも コーヤン流とはなんぞや? という話ですが、
三間飛車のスペシャリスト・中田功先生得意の、
「対・居飛穴に、角と端攻めから殺到する三間飛車」です。

下図が、コーヤン流。


穴熊に対して端攻めしてますね。
振り飛車は、玉が▲48玉 か ▲39玉と、戦場になる1筋・2筋から
離れているのがポイントです。

ということで、コーヤン流の骨子がわかったところで、
中田 功 七段 vs. 藤井聡太 四段 第31期竜王戦5組ランキング戦 の局面を。


後手・穴熊は、△42角 と、引き角で、△86歩 からの攻めを狙っています。
この形は、コーヤン流に対する、従来からある攻め筋だそうです。
△73桂に、 「桂馬のふんどし」を受けて ▲68飛 と回った局面。
ここで藤井四段の新手が出ます。

それが △55歩 ! タダで歩を捨てた手!!


▲55同角 は、 △86歩 から飛車先突破されてしまうので、できません。

ということで自然なのは、▲55同歩 ですが、
これには、△86歩~△86同角 と攻めるそう。


これには一直線で、▲88飛、△77角成、▲82飛成、△99馬。


で、この局面になるのですが、この変化は後手有利だそうです。
ポイントは5筋の歩が、後手だけ切れていること。

①△55馬と引ける。
②△65桂、▲48銀 に、 △56香 と打てる。


③2枚飛車の攻めに、△52歩 と打って耐えられる。

との理由で、後手優勢だそうです。

さて戻りまして、
実戦では、△55歩に 中田先生は ▲67飛 と辛抱しました。


…少し長くなったので、
これ以降の攻防は、次の記事に書きます。