プロの将棋から、次の一手問題 vol.9 その2
前回の続きです。
飯島栄治 八段 vs. 小窪 碧 四段 ヒューリック杯第98期棋聖戦 一次予選 より
問題3

△87龍 と、△86龍からの 詰めろ をかけられた局面。
先手玉は絶体絶命ですが、実は起死回生の一手がありました。
正着を答えよ。
答え ▲75角

これもまた、「詰めろ逃れの詰めろ」!
△86龍 からの詰めろを受けつつ、
次に ▲93角成 からの詰めろです。
(▲93角成~▲94香~▲91銀 から詰む。)
「詰めろ逃れの詰めろ」なので、後手はこの詰めろを受けるためには、
△84歩 と 受けるのが最善です。

しかもこれは、△85龍 からの詰めろ でもあるため、
「詰めろ逃れの詰めろ」です。 また、絶対絶命!
しかしここからにも、さらに返しがあります。

▲86歩! 詰めろを消した手。
これは詰めろではないので、
△97成銀 と △96龍 からの詰めろをかけてきますが、
▲84銀!

歩頭に打って、△96龍 からの詰めろを消す手。
△同歩 とすると、角筋が通って詰んでしまうので、できません。
しかも△94歩 は、▲同玉で打ち歩詰め!!
まさに鬼手!!
以下は、 △96龍、▲同銀、△94歩 くらいですが、
この時点で持ち駒が歩しかなく、かつ先手玉は攻め駒にもなってしまって、
後手は負けです。
…と、ここまで正着の▲75角 以下の変化をみてきたのですが、
本譜は、▲75銀 でした。
これは、詰めろ逃れ ですが、詰めろではない手。
△99成銀 と 香を取る手が、逆に詰めろで入ってしまいます。
▲72金~▲61角 と詰ましにいく手も、
87の龍が、▲84桂 を消しているので、詰みはありません。
なので、やむなく
▲86桂 と、△94香 からの詰めろを受けますが、
△94香、▲同桂、△同歩、▲同玉、△93歩、▲95玉に
△84桂 で必至。
ということで、逆転に次ぐ逆転で、後手勝ちでした。
いや~、飯島八段は惜しいですね!
解析してみると、見ごたえのある終盤戦でした。
あ、また長くなってしまいましたね。
前回の記事で書くと述べた「問題1の変化手順」は、また次の記事で書きます!